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3歳児 すみれ組 勝ち負け?
朝からの雨で今日も子どもたちはお部屋遊び。
ひとりの子がイスを集め出すと、周りのお友達もイスを集めはじめ、あっという間に室内アスレチックコーナーになりました。
倒れたら危ないな…と保育士がそばで見守りつつ、
「それ、危なくない?」
と声を掛けます。
それを見ていたひとりの子が、
「それあぶないよ!!」
と大きなひと声。
「怪我しちゃうよ!!」
と教えてくれたお友達の声が聞こえないのか、聞こうとしないのか、そのまま遊ぶ他の子どもたち。
周りに棚もあって危ない場所。
イスの上は危ないと頭ごなしにただダメと伝えることは簡単です。でも、子どもたちには経験の中で気づいて欲しいこともあります。
「やっぱりここじゃ危ないよね。転んだ時、棚に当たっちゃうもんね?」
「廊下は広いから…大丈夫かな?」
そう声を掛けると子どもたちは、イスを廊下へ持ち出して行きました。
廊下に出ると、自然と半円状にイスを並べ始めた子どもたち。
できる限り危険を減らせるよう、子どもの作った形を残しながら、保育士も丁寧に整えていきました。
「横入りはダメだよ!」
「順番!!とばさないで!!」
遊んでいるうちに自然と簡単なルールのようなものを作る子。
でもまだ全員がそうしたいわけでもなく、並んで暇になって列から抜け、空いているイスに乗る子もいます。
そしてみんながぐるぐる回っているうちに、
「僕たちの勝ちー!」
と言う声が聞こえてきました。
それを聞いたひとりの子が、
「僕たちの勝ちって言われたー!!」
と悲しくなって泣き出しました。
勝負事ではなかったはずですが、一部の子どもには、勝負のように思えたようです。
「勝ち」と言われて悲しんでいた子に、
「〇〇ちゃんも勝ちで良いんじゃない?」
と保育士が伝えると、また、遊びに戻っていきました。
そして今度は、
「〇〇くんの勝ちー!」
の声。
やっぱり悲しくなった子が、真ん中で泣いていると…
「勝ち負けじゃないよね」
「〇〇ちゃんが勝ちー!って言えば良いんだよ!」
と心配したお友達が、保育士の真似をして、お友達を慰めてくれました。
自分達で工夫して遊びを作り出すことも増えてきた子どもたち。
順番や、勝ち負けを気にする様にもなってきています。
友達との関わりの中で、時には嫌な思いをしたり、させてしまうこともあります。
子どもたちが遊びの中で友達の思いに気づいたり、気持ちを立て直す力を育んでいけるよう、励ましたり、仲立ちをしていきたいです。