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こあらのコラム~身の回りのことが自立していくために~
3歳クラスの子どもたちは今、保育園の生活の中で「身の回りのこと」が自立していくように、そのことをねらいにおいて保育者たちは子どもたちと日々関わっています。
身の回りのこととは、食べること、寝ること、着替えること、手を洗うことなどを指しています。
大人にとっては当たり前の生活となっていると思いますが、着替えること1つをとっても、服を脱ぐ、肌着を脱ぐ、肌着を着る、服を着る、ズボンを脱ぐ、パンツを脱ぐ、パンツを履く、ズボンを履く、靴下を脱ぐ、靴下を履く、脱いだ服を畳む、とたくさんの項目があります。
服を脱ぐ1つにおいても、袖をもって手を抜き、反対の手も抜いて、裾をもって頭の方に上げていき脱ぐ、といったたくさんの動作があります。その一つ一つを理解し、体を動かす必要があります。
子どもにとってそれは簡単なことではありませんし、大人にやらされてでは「面倒なこと」と捉え、自立に向かう心が整っていきません。自立していくためには、大人とともに楽しみながらできることを増やしていく。そういった関わりが必要だと考えています。
そんな中でのエピソード。
子どもが服を畳んでいました。
保育者:「お洋服畳んでしまっているんだね」
子ども:「うん、だってさぁ…畳んだ方がいいかなって思って」
保育者:「どうして畳んだ方がいいかなって思ったの?」
子ども:「だって、畳まないと出す時にさ、ボワァってなっちゃうから。畳んだ方がいいかなぁって思ったの」
保育者:「確かに、お洋服畳んで入れているとお着替えの時、カゴ出しやすいもんね。先生もそう思うな!」
子ども:「だから、畳んでいるんだ」
畳まないで入れるとカゴを出し入れする時にお洋服が落ちてきたり、カゴが入らず困っていたりする姿が見られます。
そんな時は「こうしてやったほうが出しやすいよ」と声をかけながら一緒にやったり、保育者がやってみせたりしていました。
このやり取りを通して、子どもたちが自分で気が付くことのできる環境や関わりがとても大切なんだなぁと改めて気付かせてもらった。
そんなふうに担任が話してくれました。
確かに大人がやってあげると早いし間違うことも少ないと思います。でもそれだけでは子どもが自立できません。待つことも非常に大事な関わりです。時間に余裕がない時は待つことが難しいし、その子の育っている部分よりも高度な要求をすると面倒に感じやすくなってしまいます。
大人の心の余裕が直に影響する身辺自立。
ぜひ余裕をもって、楽しく身につくように、保育園でもご家庭でも協力していけたらいいなと思います。